リズム感と駆け引きがたまらない。『マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion』レビュー
先日に続き、マルドゥック・スクランブルの続きを読みました。
今回も通勤中に夢中で読んでしまった! 今回は心理描写に比重が置かれながらも、テンポ良く夢中で読ませる作品でした。
マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
ネタバレ防止のためまた区切っておきます。
前半は1stの激しい戦闘描写はなりを潜め、心理描写がより濃く描かれているように思いました。場面の展開や敵との駆け引きも勿論平行して進むとはいえ、心理描写が多いとテンポに欠けてしまうような作品も多い中、冲方さんすごい。読ませます。
まず、心理描写の巧みさ。
バロットの不安や自信や、人への想いが場面によって脆くうつろうのですが、それがむしろヒトの感情の脆さや複雑さを如実に表していて、リアルに感じました。
信頼している人のちょっとした動作でも、不安に思ったり、ね。
そして文のリズム。
1stのときもそうでしたが、随所で英語で韻を踏んでいて、読んでいて文としても歯切れがよい。リズムによって生まれるイメージも豊か。
ちょいと恰好良すぎでは? というところもたまにありますが、うまくシメるので突っ込むに突っ込めないんだな~。
内容のほうは、前半は楽園、後半はカジノですが、どちらも毛色の違う舞台で楽しめました。
楽園の空気感や世間離れしたキャラクター。カジノの熱い駆け引き。特にカジノはこれでもかってほどカジノというものの魅力を、数字まで使って表現していて、なんかカジノいきたくなってきちゃいました。(^^;
個人的な趣味としては、緩急鋭く戦闘描写も多い1stが好きでしたが、いやはや2ndでも違う方向で素晴らしい作品でございました。
カジノの姪っ子バロットかわいい。。。
マルドゥック・スクランブルも残り1冊。楽しみです!