トモロコシ畑

油絵を使って動物を描いています。創作活動のご報告、日常の雑記など。

人と組織を大切にするから、今がある『トヨタ 現場の「オヤジ」たち』レビュー

 トヨタ、といえば、日本が世界に誇る自動車メーカーです。でも、ここまで辿り着いた背景には、現場の人々の地道な努力があってこそだったのです……。

 なんて、そんな逸話に触れる機会を、本から頂きました。

 中卒の現場上がりという、現トヨタ副社長を題材にしたノンフィクション作品、『トヨタ 現場の「オヤジ」たち』を読破。サクッと読める内容ながらも、日本のものづくりの熱い想い、そしてトヨタ生産方式の本質に触れられる、なかなか良い内容でした!

トヨタ 現場の「オヤジ」たち (新潮新書)

トヨタ 現場の「オヤジ」たち (新潮新書)

 

 目次!

 

どこまでも「人」を信じた、人間味溢れる現場

 作品は、さすがノンフィクション。独白のモノローグのような形式で、現場の生々しさが伝わります。スタートは、1937年のトヨタの創業期。そこから、いかにして現在のトヨタが生まれたのか、独白を中心に話が進みます。

 さて、頭の時代から常に流れているのは、「人」への信頼。

トヨタは教育熱心な会社で、人を育てる教育ばかりやるんです。なぜかと言えば、いいものを作る鍵は人にあるんです。いい設備もいるけど、設備だって操るのは人ですから。人を育てないと、いいものはできない。(p63)

 人を育てることこそが、いいものづくりに繋がる、と、トヨタOBは語ります。その気概が会社全体に浸透しているから、皆後輩を育てようとする。しかも、携帯電話もなく、クルマもお高い時代。コミュニケーションは、飲み会だったり、一緒にお風呂に入ったり……。そんな密着した付き合い。チームワークも醸成されるものです。

 その想いは、技術が進歩した今でも変わらないようです。

いつになってもやっぱり腕のいい職人が必要なんです。機械やロボットが勝手に自分で一番いいやり方を関G萎えて、技術を進歩させたわけじゃないんだ。手作業のラインで高いレベルの腕を持った人を育てるのが、トヨタの現場にとって必要なんですよ。(p182)

 

トヨタにもこんな時代があったんだ

 今だけみると、最初から巨大にみえるトヨタですが、当然最初はもっと小さい。OBの独白を切り取ると、「えっ、そんなこともやってたの?」という、なかなか衝撃的なこともあります。

当時の環境は最悪。先輩が扇風機に向かい、汗をだらだら流しながら、塩をなめて仕事をやってました。真っ赤になった棒材をかね(鉄)の箸でつかまえて、それをスタンプハンマーって、大きなハンマーで叩いたりして成形していました。(p27)

トヨタがいちばん苦しかったのは昭和25年(1950年)の朝鮮戦争の前でした。労働争議で人員整理があったときですよ。会社も金がなくて、給料が払えんから、鋳物で、アルミの鍋や釜を創って、それを給料代わりに従業員に配ったんです。私もアルミの鍋をもらって……。丈夫でいい鍋でしたから、まだ使ってます。行商もやりましたよ。金がないから、会社に行かずに鍋や釜を売って生活していました。(p38)

 こんなことを乗り越えてきたから、今のトヨタがあり、その乗り越えた実績があるからこそ、新しい時代にも立ち向かえるというわけですね。前者の引用は、鍛造という、当時最高にツライ現場の状況。今は生産ラインでの製造ですが、当時は本当に、まさに「職人技」、です。

 しかし鍋を売っていたとは……確かに相当長く使えそうですが!

 

トヨタ生産方式を成り立たせる鍵は、「人」「組織」にあった!

 トヨタ生産方式、名前だけでもご存じの方は多いのではないでしょうか。トヨタの高品質な大量生産を支えた、生産方式。

 これ単に生産方式の手法だけ踏襲すれば、それでいい感じもするんですが。そんなことはない。成り立たせるための土壌が必要で、本書を読む限りは、まず「人」「組織」ありきだな、と感じました。

トヨタ生産方式と言えば、カイゼンだと言われています。しかし、カイゼンの前にまず問題を顕在化する必要がある。そして、基準をつくって異常を管理する。(p110)

ただ、現場は自分のところで問題が顕在化するのは嫌なんだ。心理的にはつらい。だから、それとの戦いでもある。(p110)

 そう、現場の問題点をカイゼンして解消し、できるだけ早く、品質の担保された製品をお客様に届けていくのが基本ですが。

 問題点をカイゼンするには、それを発見する必要があり。

 さらに、発見した問題点を提起できる環境も必要。ふつうは、問題あります!っていったら、怒られますから。隠したくなりますよね。それが人間の心理……。それを乗り越えて、問題を提起したら、むしろほめられるような、そんな人間関係、組織がないと、これは成り立たないんです。

 問題が見つからない限り、カイゼンのしようがありませんから。

 さらに、問題をしっかり捕まえるには、「これは問題だ!」と気づく必要がある。気づくには、正しい現場の在り方という原理原則というモノサシがないと、異常に気付きません。だから、個人個人にその原理原則の浸透も必要、というわけです。

 

 私なりに図式化すると、こんな感じになるんじゃないかと。(なんだか仕事のプレゼン資料チックになってしまったがご愛敬^^;)

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 また、トヨタ生産方式~って学ぼうとすると、色々な本も巷に出ていて、要素がたくさんあるように見えるのですが。本書では、本質的な要素が1文で述べられていました。納得感……ありますね。

『ものは売れる速さで形を変えながら流れていく』。

形を変えないで流れていったって何の付加価値もない。売れるものを売れるスピードで1つずつつくる。我々は、材料を買って、車にして、お客さまに買っていただき、乗っていただくことで、初めてお金が戻ってくる。ですから、材料を買ったときから、いかに早く車にしてお客さまに買っていただくか。材料が製品、自動車になるまでの時間を『リードタイム』というのですが、それを短くする。付加価値を付けながら時間を短縮するのがトヨタ生産方式の考え方です(p106,107)

 

 

総括・今後の日本のものづくりは……

トヨタは創業から80年が経った。そして、自動車業界はもっともはげしい変化のなかにある。2017年末、社長、豊田章男はこんなメッセージを出した。

「『勝つか負けるか』ではなく、まさに『生きるか死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっている」(p178)

  EVや電気自動車の登場。そして、製造現場の自動化等、技術の進歩によりまさに今自動車業界は岐路に立っています。

 海外の製造業は、現場の自動化・機械化を日本以上に早く推進している例も多く、日本のものづくりが今度どう生きるべきか問われる時代となっています。

 日本のものづくりはや現場のカイゼンの力をベースに、これまで世界でも活躍できました。AIやロボティクスといった、ヒトの知能や技術を模すものが確立されつつある今、どうあるべきか……。トヨタも含め、多くの企業が戦っています。

 自分も、製造業相手の仕事をすることが多く、自分自身ものづくりの力になりたいと思っているので、引き続き考えていきたい、いやいかねば、と考えております。本書のような本を読むと、これまでの日本のものづくりの強さを支えたものが分かるので、日本を未来を切り開くためのひとつのInputにはなるように感じますね!

 

 読み物としてもおもしろかったです! ノンフィクションなので、全編批判精神なく書かれており、その点は場合によっては多少、差し引くべきかもしれませんが……。

 

 なお、冒頭に現副社長を題材にとありますが、メインの独白が現副社長・河合氏であり、ほかのOBの視点でも描かれています! あまり引用はしていませんが、現場と人を大変大切にしていたからこそ、副社長なんだなと大変感じます。河合氏のエピソードだけでも結構ぐっときますので、ご興味ある方は是非^^

 

 河合氏の最近のインタビューでも、現場・人への想いがわかりますね。

newswitch.jp

 

 

謎が謎を呼ぶ連続事件と女刑事の恋模様『死体は笑みを招く』レビュー

 東北旅行から戻り、1日半程度実家でまったりしておりました。久しぶりに時間を取って翻訳ミステリを楽しめましたので、レビューを書きます!

 今回はドイツミステリのシリーズ2作目にあたる作品です。ベテラン刑事・オリヴァーとピアのペアを主人公としたシリーズなのですが、この分厚さにも関わらず毎回読ませる! 今回は若干登場人物が多く、整理が大変ではありましたが、途中から一気読みでした!

 次作も既に翻訳出ているので、また読みたいところです!

 

死体は笑みを招く (創元推理文庫)

死体は笑みを招く (創元推理文庫)

 

 

目次

 

 

動物園での殺人事件とミステリアスな登場人物たち

 今回の事件の発端は、なんと動物園。開園直後の動物園で死体が見つかった! というショッキングなところからスタートします。

 動物園といったら、もちろん園長やら、飼育委員やら、園の従業員たちが出てきます。そして、被害者の奥様。さらに、被害者はどうも主義主張が強いらしく、色々な人の恨みをかっている模様。被害者は近隣で予定されている、バイパス建設に猛反対し、その建設会社や、賛成派と衝突しているとか。

 更に、被害者を慕う少年たちの集まりがあったとか……誰もかれもアヤシイさプンプンです。

 

次々と起こる不可解な事件

 そんな人物たちが入り組む中、なんと被害者の家が火事に!

 火事にてんやわんやしている暇もなく、被害者を慕う青年たちがオンラインゲームを経営し、お金を儲けている? なんて情報。さらに、それを刑事相手に隠している……! 一体それはなぜ?

 そしてそして、オンラインゲームの共同経営者の青年が、恋人のハズカしーーい写真をばらまいて……。

 と、大小様々な事件が起こる起こる。事件が進む中で、当初把握できる人間関係に、思わぬ側面があったりして……と、人間関係も変わっていきます。

 

魅力的な男性陣の間で揺れる女刑事の恋心……

 人間関係は、勿論主人公であるオリヴァーとピアを主軸に描かれます。

 オリヴァーはどうも奥様とうまくいかず、オリヴァーも気になるのですが。今回はとにかくピアの人間模様が気になる!

 ピアは30代後半の女性刑事。一応旦那サンはいるものの、別居中。そんなピア、事件をとりまく関係者である、男やもめな美中年男性と、若い女子からも大人気な青年からアプローチをかけられ、心が揺れてしまいます。勿論彼らは容疑者の範疇に含まれており、二人で居るのは危険な可能性も。でも、ピアはピアで孤独を感じ、揺れてしまい……とハラハラドキドキな展開です。

 おいおい、そこでついていっちゃダメだろ! とかありますけど、それがまたスパイスになります笑 まぁ、刑事だって人間だ!

 

総括!

 ということで、事件とピアの女心を追っていったら、いつの間にか読み終えた感じです笑 このシリーズは単に事件の謎解きだけでなく、こうした主要人物たちの人間関係・恋模様の変化があって、おもしろいのです!

 ミステリー初心者には、分厚さからみておおっと二の足を踏んでしまいそうではありますが、厚さを感じさせないおもしろさ。とはいえ、翻訳の第一作目としてでた『深い疵』を読んで私もハマったもので、そこから入っていただくとより入りやすいかと思います! ぜひ!

(『深い疵』は、実はシリーズ3作目なんですが、原作が好評らしく、これが実質翻訳された最初の作品です。ここからでも全然読めます!)

 

旅の名前は、「Shirakami Revenge Match」!

 明日から、emは旅に出ます。

 そう、旅にタイトルをつけるならば―――Shirakami Revenge Match。もう、あの悲劇を起こさない。きっと、今回こそ勝つ!

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 ……ん? どういうテンションかって。それは……記事を読んで頂ければきっと! お分かりいただけるかと。

 目次です。

 

すべてはあの日から始まった。

 そう…あれは確か、201〇年の2月、だったと思う。当時大学生だった私は、青春18切符を使い、関東からはるばる青森まで、鈍行列車を乗り継ぎ向かったのだった。

 青森は日本海側の沿線を、海沿いすれすれに走る電車、五能線。この景色を堪能するために、1日半をかけて、鈍行にひたすら乗った。

 

 当時もモンハンが流行っていて、北にいっても、モンハンの人気はとどまらず、高校生くらいの学生たちは電車で大盛り上がり。

「俺、リオレイア行きたいわ~」

 話題はわかるが、北に行くほどに、モンスタの発音が若干なまっていて、それを聞くとああ、遠くまできたなぁと改めて実感する。同時に、モンハンの繋がりを感じる。

『俺もリオレイア好きだよ!』(←心の声)

 

 新青森に到着。もう21時頃。

 ……見事に、吹雪★

 ていうか目の前さえ見えない……白銀の世界。まさにモンハンの雪山。その時は徒然一人旅で、宿の予約はせず、行く先々でネカフェにとまっていた。

 さて、新青森のネカフェ……駅前に……な…いだと?!その事実に驚愕しつつも、なんとか宿を探す。安宿がなんとかみつかり、駆け込む。……暖房が弱くて寒い。ダウンにくるまりながら一夜を明かした……

 

 ……あれ? ちょっとまった。いやいや当時の旅行記を書く気じゃなかったのに!すみません調子に乗りました。色々と思い出してしまって笑

 

 気を取り直して。

 

 まぁとにかく吹雪だったわけです。

 で、三内丸山遺跡という、新青森からバスでいける、縄文時代の遺跡にいこうとしたんですが……。バスが到着したものの、遺跡らしきものが見えない。

 あれ? と探し回り、遺跡のスタッフさんに聞いてみたら……、

 

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「あ、遺跡? 君の足元だよ。雪に埋もれててね。」

「雪!? 埋もれ?! えっ???」

 はい……雪に……埋もれておりました……。

 まさか、こんなことがあるとは。油断しておりました。

 青森の雪、おそるべし。唯一、屋内の展示はみれて、大変見応えがあったことを覚えております。

 

 さらに。

 目的の五能線……。

 最初はよかったものの、乗り込んで数駅経過した時点で。

「雪のため、沿岸通れません。バスで迂回しますので、乗換お願いします」

 

 Σ迂回

 海が拝めず……。いや、危険だったろうから仕方ないけども!

 

 ……そんな、結果だったのです……。

 それが数年前。

 

 これはこれで、雪のすごさを知り、また、雪に閉ざされた世界は音もせず、まるで誰もいないかのような不思議な世界で。なかなかどうして、とても好きだったんですけど。ですけど、やっぱりちょっと、悔しい想いがあり。この度、リベンジすることにしました!

 

 ……ちな、おわかりかと思いますが、真冬に乗り込む私が悪い、という話ですw

 皆さま、冬場はご注意くださいませ~

 

 

遂に来た復讐の時。

 はい、勝手に復讐心を燃やした私ですが、明日からまたそのリベンジに行ってきます。今の会社のプロジェクトが、奇跡的にお盆休みとなったので、混んでいる時期ではありますが、どうしても行きたくて。

 

 今回は、ちょっとお盆休みも仕事やデザインの仕事も入っているので、あまりゆったり時間を使えず、新幹線と夜行バスで往復します。(この年でよく夜行バス、といわれますが、全然いけますよ~♪)

 3日間のプランで、三内丸山遺跡五能線のリベンジをしつつ、ずっといきたかった白神山地にいき、スケッチしようと思っています^^新幹線といいつつ、車も使わない旅なので、合間でぼーっとキャリアのこととかも考えたいなぁ。

 

 天気はイマイチっぽいんですが、雨や曇りだったとしても、それはそれで水墨画っぽい美しさがあると思うので、どうあろうがいってきます!

 今回は雪に埋もれる事件はないはずだし!

 

 

旅にタイトルをつけると、ぐっと楽しくなる!

 Revenge Matchなんてようわからん名前をつけちゃいましたが、旅にタイトルやテーマを持たせると、ぐっと楽しくなるような気がします。

 私の旅のプランニングは、第一目的とイン・アウトを決めて、外堀の予定を埋めていくスタイルで作るのですが、やっぱり第一目的に沿って名前を決めるとなんかテンション上がります。プランニング好きなもので、結構友人と出かけるときも自分が勝手に旅のしおり的なものまでつくっちゃうこと多いんですが、数日間の旅行の時には、1日1日にサブタイトルつけたりして笑

 

 旅って、非日常の新しい物語だと思うのです。

 フィクションの中にもないような経験ができることだってあるし、まさに物語。それにタイトルをつけると、ひとつの作品を体験してる感じになりませんかね?(^^)

   あと、なぜShirakamiかというと、白神山地、からとってます!今回は白神山地メインなもので!

 

 ということで、明日から行ってきます~!

 久しぶりのまったり旅だ~^^

 

 無駄にタイトル部分描いてしまいましたが、やっぱりペンで描くのはいいですなぁ。

 

 

 

 

創作意欲も掻き立てる展覧会「週間少年ジャンプ展 VOL.3」レポート

週刊少年ジャンプ展……気になりつつ、行く機会がなく、やっと本日行って参りました!!!2000年以降の作品をテーマにした、vol.3です!

漫画描いていた身としても、読者としても、ぐっとくる展示でした!

shonenjump-ten.com

 

読者として……懐かしさと興奮が蘇る!

 会場で突如迎えるのは、2000年の時系列での作品リスト。

単行本が時系列で並んでいます!

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ジャンプをしっかり読んでいたのは、2004年くらいまでだったので、

正直知らない作品も多かったのですが。

「あれ、これってこの時期のだっけ?」

「ああ~こんなのあった!」

と、思い出が否応なく喚起されます!

 

単行本が出ている作品は、おそらくすべて並んでいるので、マイナーだったけどすごく好きだった作品、なんてのも見れるわけですよ!

 

そして、ここを抜けたら各作品/作者のコーナー。

生原稿と、複製画像の演出(パネルがあったり、壁面にプリントされていたり)、作者の当時を想起したコメント、展覧会のための描きおろしイラスト、なんかが展示されています。

(今日は祝日のため、撮影禁止エリアになっており……写真はなしです、ゴメンナサイ!)

 

今回の展示作品の中では、自分はHUNTER×HUNTERが未だに大好きで、生原稿を見てもう溜息つきまくりでした。

テニスの王子様や、DEATH NOTE、ワンピース、NARUTOもリアルタイムで連載開始を見ていましたから、懐かしくてもうたまらない。

作者の当時の言葉なんかには、どんな想いをこめてこの一枚を描いていたのか……というコメントがあり、思い出しつつも、色々と考えさせられます。そして、作者の愛と苦労を感じます。

 

展示されている原画は少ない(多い作品でも、20ページくらい)ですが、

特にヤマ場となっている部分を抜粋しているので、しっかりあのシーンか!と思い出せます。

 

最後にグッズ販売。

バスタオルやTシャツ、湯飲みなどなど、主要作品のグッズが購入できます。

必ずしもすべての作品が、全種類あるわけではないですが、なかなかうまい。Tシャツは、単にプリントされているのではなく、前面にプリントしたり大分工夫されていたりして。

 

自分は、HUNTER×HUNTERの湯飲みと、ヒソカ総柄トランプという、もはや俺得でしかないグッズがあり、買いました!(←ヒソカ大好き)あと、DEATH NOTE好きの母のために、DEATH NOTEのクリアファイル。

クリアファイルは複製原画の柄になっていて、吹き出し部分もしっかり貼りこみっぽくなっていて、すごくかっこいいです!

 

(でもこのヒソカトランプ……HUNTER知ってる人とじゃないと使えないな……柄がきわどすぎる笑 ほぼ自分用のミニ画集扱いかもw しかし、よくぞ作ってくださいました!!!!!このために行った、といっても過言ではないくらいに嬉しい。)

 

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創り手として……漫画のおもしろさ、大変さを改めて感じる!

 生原画には、下書きの跡や、トーンの削りあと、ホワイトの跡が生々しく残っていて、筆致もしっかりとみることができます。

改めてこう生の原稿を微細に観察すると、

……そんな作家それぞれの違いを、直に感じ取ることができました。

 

そして、改めて、

漫画という作品の1ページ、1ページがまさに「芸術作品」であること、

そして1ページを仕上げることの大変さ、そしてできたときの喜び……

さらには、その漫画という媒体の懐の深さに、感じ入りました。

 

自分も実は、社会人になってから30P強の短編漫画を、今まで3本描いたことがありまして。それぞれ、休暇1週間つぶして、終電で帰宅してそのまま描いて……という生活をしたことがあり、少なからずその大変さを知っていて、

なんだかむずむずした感覚になりました。

 

そして、やっぱり漫画っていいなぁ、と、すごく心で感じました。

 

 

最後は、先生方の寄せ書きで終わり!でした!

 

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総括! 

構成が巧い。

  1. 最初に、消費者が一番目にするだろう「単行本の表紙」で、
    「すべての作品」を提示する。
     →思い出と興奮を喚起する。
  2. 主要な場面を切り抜いた複製原画を出す。
     →作品の思い出に浸る。興奮最高潮。
  3. グッズ販売。
     →興奮に身をまかせ買っちゃうよね……。

こんな感じで、しっかり購買意欲を持たせてグッズを買わせる流れになっております。

いや、誉め言葉ですし、興奮落ち着いた今でもHAPPYです。

時系列の単行本のリストは特に良いと思います。短かったけど好きだった作品、ちゃんと心に残っているものです。すごく大切な、思い出の一部、ですから。

 

グッズもニクい。

複製原画調のクリアファイル、ぱっと見て漫画漫画していないポーチ、Tシャツなど、一工夫こらした、「普段使いできる一品」が揃っていて、良いです。

特に、この展示会って懐かしむ大人たちが来る可能性も高いわけで、

よく考えられていると思いました。

 

そしてここにひっかかったオトナが一人。笑

 

でも本当ヒソカトランプは素晴らしい。

商品企画の人を崇めたいです(-人-)(←どんだけ好きなん…)

 

これから行かれる方へ……。

皆さん混雑状況が気になると思うんですけど、

実は思ったほど混んでませんでした。

参考に、自分が行ったのは土曜の14:00頃。

入場待たず、中も人垣で見えないってことなく、スムーズに回れます。

 

16:00くらいにみたら、若干混んでいたかなぁ…でも、大したことなかったです。

 

展示会公式twitterでも、朝の混雑状況をアナウンスしていますが、

見ている限り、どちらかというと、特定作品のファン感謝デー(大抵金曜か火曜。詳細は公式ページ参照)のほうが混む印象。

創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 ファン感謝デー

 

なお、グッズはちらほら欠品・補充中のものがありました。

グッズの在庫状況も公式サイトから閲覧できるので、お目当ては事前にチェックを。

創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 グッズ

 

最後につぶやき。

年代的に、VOL.2が発作的に懐かしかった……行かなかったのが悔やまれます!!!

でも、結果的に創作意欲もわいたし、行ってよかった!!!です!

 

 

 

スーツは良い

仕事の時、スーツを着ると、仕事モードオン!という感じになりなかなか良いものです。

勝負パンツじゃないが、服装で気持ちを切り替えるのはアリ!

 

ブログ一度書かなくなるとなかなかまた書きにくくなるなーという気がしたので、しっかり記事をカテゴライズするべきなのかも。と思い始めました。

 

と悶々しつつ、ボールペンスーツ女子をそっとおいときます。

髪型は今の自分まんまだが、美化してるのでわたしではない。かっこよくありたいものだ。

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生存報告だけ

大変ご無沙汰してしまっておりました。emです。

社畜生活な傍ら、新しいことをはじめてしまい。心身ぼろぼろですが、なんとか生きています!

(あっ、新しいことで多少心は元気かなぁ…でも疲れたや!)

 

 

 

ブログ書きたいなぁと思いつつ、何書けばいいのかわからなくなってしまって、

筆をとれずにおりました(;;)

こういう考えすぎるところがよろしくないのだけどね。

 

最近は、「こんなこと俺しか考えないだろ」っていう無駄だけど大切?な考えが色々渦巻いているので、エッセイ調で思うことを書きたいなぁ。

というのと、

最近デザインやコーディング力の強化に励んで居るので、そのあたりのことをかきたいですね。これまでのこのブログの色とは違うんですが、かいてみないと、自分の考えも反応もわかりませんからね!

 

 

創作は、実は過去に描いた漫画作品のキャラがまだ暴れたりないようで、私の中でもやもや動いているのですが、キャラ自ら動きだして物語を紡ぐほどまで確立しておらず。もうちょっとキャラたちと対話しようと思います!(アヤシイ人…。)

私が初めて描き上げた1短編がかなりお気に入りなので、その子から話してみるかな…顔に花が生えた女の子です。

どんな短編かはまぁおいおい…。かなりぶっとんだ作品です笑 でも、これまで描いた中ではなんだかんだで一番、自分らしい作品だなぁと思ってます。リメイクするかも。

 

一方で、今冒頭でかいた「新しいこと」との兼ね合いで一度ストップしてしまっている日本画ですが、やっぱりこれはこれでつきつめいたい。特に墨としっかり対話したい。

ので、結局そっちのことをかくかもです。

 

 

とまぁすみません完全に生存&近況報告でした。

ちょっとずつまた書いていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします!

モノに向き合い、瞬間を愉しむこと

料理、日本画、どちらにもハマりつつあるが、まだまだ初心者。

学習の過程で、色々と先達の本を読んでいるのですが。

偶然にも最近手に取った料理の本、日本画の本。

どちらにも、五感を使う、というようなことが書かれていました。

 

読んだのは、

有元葉子さんの『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』、

千住博さんの『絵を描く悦び』。

 

 

 

有元さんの本では。

「5分水につける」ではなく、「触ったらキシキシと音がするまで充分に水を吸わせて」という表現がされていて。

 

千住さんの本では。

「デッサンを描くには、モデルをよく見て」ではなく、「必要なら手に取って確かめて」という表現がされていて。

 

 

テクニックではないのだけれども、

料理、日本画、それぞれの向き合い方として、五感を使い、対象に向き合うという旨が書かれていました。

 

すごく、自然に寄り添う、五感を使う…というようなところが、感覚的なのだけれども本質的な気がして。

その本質的な部分を押さえていくと、結果的にテクニックができるような気がします。

うーん…なんか何をいいたいのかふわっとしているのですが。。

 

で、なんとなく、

こういう自然への向き合い方って、すごく日本人的な意識なんじゃないかな、という気がしていて、千住さんも本で書かれているのですが、日本画の素材自体も自然物で、それを使って自然を描くという技法で。

長年息づいてきた「日本画」という技法や、もしかしたら料理の仕方だって、日本人の取り組みかったって…自然を感じて、生かし、表現し創り上げるような意識が根本にあるように感じました。

 

 

理研究家の土井先生のレシピ本でも、

野菜のみずみずしさに触れたよいうな表現が多くて、

日本文化の先達は多かれ少なかれ、自然に向き合ってきているのかなというように思いました。

 

 

料理も日本画も、

取り組んでいると、野菜の美しさや、岩絵の具の鮮やかさにすごく心惹かれます。

その道のプロになりたいとか、極めたい、とか、そんな社会的なあこがれって持ちがちなんですが。

もとをただすと、やっぱり、自然を味わって、日々愉しみ、美しいものに触れるのが好きだから…、料理も日本画も好き、なんですよね。

 

ギターだってそう。

木でつくられたギターと、その音の響きを奏で、美しい旋律に触れ、生み出すのが好きだから…、好きなのです。

 

あまり、どうなりたいか、という社会的な目標ではなくて、

本質的な部分を見失わず、ひとつひとつの瞬間を大切に生きたい、

そのためのツールとして、料理や日本画があって、日々愉しみながら高めていきたい。

そう、改めて感じました。

 

 

レシピを見ないで作れるようになりましょう。

レシピを見ないで作れるようになりましょう。

 
千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)