トモロコシ畑

油絵を使って動物を描いています。創作活動のご報告、日常の雑記など。

これはミステリ?文芸?SF?バラエティーに富んだ短編集『休日はコーヒーショップで謎解きを』レビュー

 久しぶりの更新の今回も、本のレビューを。

 今回は、短編集!

 以前ミステリ界隈で好評を博した、ミステリ作家のシャンクスがのらりくらりと事件を解決していくミステリ短編集、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』の作家である、ロバート・ロプレスティ氏の作品の第二集。

 ただ、今作は前作のような、同一主人公の連作ではなく、独立した短編集で、登場人物も舞台設定も作品によって異なるものとなっています。 

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 前作がミステリだったので、てっきり今回もそうか? と思ったら…ミステリもあるにはあるが、SFなんだか、文芸なんだか、ジャンルに分けるのもバカバカしくなるくらいにバラエティーに富んだ短編たちでした。

 

 正直、前作はあまりハマらなかったのですが、今回はきらっと光る作品がいくつかあり、結構個人的には好きでした。9編ありますが、最後の1編以外は、10分〜20分程度でさくっと読めるものが多く、仕事の息抜きにも最適。各作品に筆者の言葉として、作品の裏話があるのもまた面白し。

 完全エンタメに振ったものもありつつ、歴史上の出来事にスポットをあて、作者なりに問題意識を持って描いた作品もありますし、アメリカの日常にスポットをあてたものもあったりして、ある種異文化理解のような、勉強になるようなものもありました。

 

 翻訳も自然で読みやすいので、ホッと一息つきたい人、翻訳小説初心者の人にも、おすすめの一作です! まだまだコロナの影響が続く、梅雨に入りかけのこの時期…。コーヒー片手に、いかがでしょうか^^

 

 

 最近の近況ですが、仕事がかつてなくまた忙しくなりつつあるので、生活は悲しい哉そっちメインなのですが。(仕事は仕事で面白いけど、もうちょっとペースは落としたい(涙))

 水彩画をまた少し始めたり、創作活動はマイペースにしております…。絵は無理に続けなくていいのよ、と思ったりする一方で、描くとやっぱ楽しいんだよなぁ、と思ったりして。

 絵を描く意義とか、職業にするかどうかとか、今目の前に転がっていないことに思いを馳せすぎると、妄想と不安が広がって(しかも、落ち着いて考えれば、杞憂な不安ね。)動けなくなってしまうので、純粋に描くことを楽しめる心境というんでしょうか。そういうところを、無理なく大事にしたいなと思っている次第です。