トモロコシ畑

油絵を使って動物を描いています。創作活動のご報告、日常の雑記など。

被疑者も事件も多すぎ!安定のおもしろさ『穢れた風』レビュー

 またもや久しぶりな投稿となりました。仕事がまた更に忙しくなり、久しぶりにほぼ1週間タクシー帰りという悲劇に…(いつの時代の話、なんて言わんといて…涙)

 そんな中、わが心のオアシスは読書。

 ということで、先日の『死体は笑みを招く』に続きまして、ドイツミステリ・オリヴァー&ピアシリーズの第5作『穢れた風』を読破しましたので、レビューを書きます!5作全部読んでますが、これは一、二を争うおもしろさかもしれん…。

穢れた風 (創元推理文庫)

穢れた風 (創元推理文庫)

 

 

目次!

 

 

アヤシイ人は多いんだけども…? そして、謎を呼ぶモノローグ。

 事件は、風力発電施設建設会社の警備員の死体が発見されたところから始まります。更に、なぜかハムスターの死骸も?!(ハムちゃん(TT)許せん犯人……と読みながら憎悪に燃えたおいら……)

 風力発電施設建設会社は、新しい風力発電所を作ろうとしており、どうもその土地についていざこざがある模様。

 そしてそのいざこざを取り巻く人たち。風力会社側のキナ臭いしゃっちょサンや、発電所建設反対の主要人物たちもまたやくざっぽい。あやしい人多々。

 更に、途中でポツンと、全然事件と関係なさそうな、女性のモノローグが入ってきます。

 アヤシイ人たくさんいるし、なんかすぐ解決しそうな感じがするのに、なんとなく不穏でキナ臭い。そして、捜査も進まない……。

 

事件多っ!息もつかせぬ展開

 と、そんな状況の中、第二の殺人が!

 発電所建設反対派の中でもいざこざが起こるわ、主人公・オリヴァーの家族まで巻きまれてしまうわ……と、操作停滞をあざ笑うかのように事件が多発。

 なんじゃこれは誰がやっとんだ! と追う間もなく、展開します。後半からもう何がなんだかわからんけど一気読みデス!

 そして、一気読みする中であらわになってくる、人物たちの事情。新事実もがんがん出てきて、息もつかせぬ展開です! 自分は集中しすぎて電車乗り過ごしたくらい(!)すごい展開でした!

 

ああ哀しみの主人公・オリヴァー……

 さてさて、毎度このシリーズは、主人公の警察官・オリヴァーとピア のプライベートな話もしっかり織り込まれています。

 この巻は最初からとにかく、オリヴァーが哀愁漂っているといえばいいのか……最初っから、奥様と別居状態、独り身で悩んでいる中、なんだかすごい事件がぶっこまれるという、なんともかわいそうで大変そうな目に遭ってしまいます。

 動揺しまくりのオリヴァー。署のメンバーもおいおい、つきあってられんわ! という感じで、もうどん底状態……。目もあてられぬ。うう。

 

ノイハウス作品の良さは、やっぱり人間臭さ!

 でもね、解説にもあったんですが、プライベートでなんかあれば、仕事でポーカーフェイス保てないこともあるわけですよね。現実的に。

 だから、オリヴァーのそのふるまいは、英雄やヒーローではないのだけれども、とっても共感できるし、だからこそおもしろいわけです。(オリヴァーには悪いけど^^;)

 オリヴァーは動揺しすぎて、失敗することもあるんですが、だからこそ物語をより読めなくしている(=おもしろくしている)し、より共感を誘う作りになっていると思うのです。

 更にこのシリーズって、単なる人の心の動きと、ミステリーだけじゃなく、見た目綺麗に見える社会運動の裏を、人間臭さでもってえぐるという描き出し方もしていて。人間臭さがよりこの物語をおもしろくしていることは、間違いないなと思います。

 ああ、自分も作話するならこういう作品を描きたいものだなぁ…しみじみ。

 

 さて、このシリーズの最新刊、今月発売ということで……大変楽しみであります^^

 

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 レビュー記事ではありますが、ひとつ、今取り組んでいることをご紹介。

 今は、『ずっとやりたかったことを、やりなさい』という、古典的名著みたいなもののワークに取り組んでいます。詳細は今度ご紹介したいと思いますが、もやもやしていた創作への向き合い方が、少しずつカイゼンしているような気がします。

 ワークは1週間に1つあるのですが、今週はなんと……「活字を読まない」ワーク…ヒィ……。twitterfacebookも禁止。漫画も。小説も。

 

 今日意識的に実践して気づきましたが、相当、スマホの活字に踊らされているなーと。気を抜くとみてしまう。いかんいかん。と、今は使うとき以外機内モードにして自制してます笑

 なんてか、創作については、ずっと「こうなりたい」という憧れを、自分におしつけて、ひとりで呼吸困難に陥っていたような気がするのですよね……。憧れというフィルタを外したら、自分はどうありたいの? ということを、自分の心の中に聞いているような感じ、かな。この本で「アーティスト・チャイルド」って呼ばれているのが、内面の芸術家の精神なんだけども、その精神が、最初よくみたら死にかかっていたところを、やっと助け出して、今は話せるようになるまで休ませているような感じ。

 うおう、なんかスピリチュアルな話になっているが、うーん、よくわからんけど、そういう心の中病んだところと、その状況が、なんとなく見えるようになってきたんですよね。もう少しで、やりたいことを話してくれそうなので、休ませつつその時を待っております……。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。

新版 ずっとやりたかったことを、やりなさい。