トモロコシ畑

油絵を使って動物を描いています。創作活動のご報告、日常の雑記など。

『ハルシャ展』『ソール・ライター展』感想

大分美術館もご無沙汰していたので、インプットにいってきました。

先週は森美術館で開催中、インドの画家N・S・ハルシャの展示『ハルシャ展』、

今週はBunkamuraで開催中、アメリカの写真家ソール・ライターの展示『ソール・ライター展』。

 

展示の感想でも。

 

『ハルシャ展』:ヒトを見守る宇宙を感じる展示

ハルシャは今回初めて知った作家。

なんとなく展示会のチラシの絵がポップで可愛いなぁと思い、勢いで行きました…が。

ポップ、ではなかった!笑

現代アートの表現を用いながら、インド、ヒト、宇宙、そういったテーマを間接的に描き出している、といえばいいかな。

 

展示は彼の年代別に並んでいましたが、

当初はこれぞインド…?という印象の、ヒンドゥー教の神々を思わせる作品が多かったのが、徐々にヒトの生きる姿にフォーカス。

彼の代表作として、巨大なキャンバスに、ヒトを片端からずあーっと整列させている作品がいくつかありました。最大の作品は、2000人!もの人がばーっと並んでいるのですが、ひとりひとり違う動作をし、表情をしている…。

ヒトの観察という側面がありつつ、綺麗に整列した人々を平面でながめていると、まるで観覧者が神になったかのような印象もありました。

(この作品、Bunkamuraの美術館サイトトップにあるので是非ごらんください^^)

 

個人的には、最後にあった30mほどの長さの巨大な作品が非常に印象深かった。

筆で描いたかのような輪郭で、輪廻を示す巨大な∞のマーク。その内側に宇宙が内描かれている。。。大きさもそうなのですが、なんだろうな…彼の晩年の作品だったからなのか、非常な落ち着きと大局観を細部から感じ取れました。すごい。

 

途中途中のインドの写真なんかみて、インド旅行を思い出しつつ。

なかなかおもしろい展示でした。

www.mori.art.museum

 

『ソール・ライター展』:どきどきするほどの色彩・平面的写真表現

こちらもまた展示会チラシがイイ感じだったので、今日突発でいってみました。

最初はファッション誌の写真をとりつつ、晩年になり写真作品が注目された方とのこと。

展示は、白黒での作品からカラーの作品へとうつりかわっていきます。

 

白黒の作品は、コントラストがくっきり。

影になって顔みえないじゃんって思いきや、シルエット全体をあえて真っ黒にすることで、写真全体の構図のバランスがはっきりして、平面構成的な、かっちりきまった美しさがありました。

 

カラーのほうは…

もうね…どきどきしました。超、かっこいい。

白黒写真のときの平面構成的な表現をより洗練させつつ、

効果的に組み入れた色彩。

いくつかの作品はもーーー鳥肌がでるくらいかっこよかった。なんなんこれ…!

印象に一番残ったのは、雪景色の中の足跡と、赤い傘の写真。赤い傘は真っ赤。雪景色は白黒。非常に美しい!!!

 

また、撮影の仕方がおもしろいんですよね。

 

ある作品は、ガラス越しに移った人を。ある作品は、カーテンをひいた窓と、窓枠の微妙な隙間の風景を。ある作品は、寒い日に曇った窓を中途半端に磨き、そこから外の風景を。直接被写体を撮影するのではなく、何等かを通しての作品が多かったです。

ガラスの映り込みや、水滴の効果で、非現実的な効果が生まれます。色を拡散させ、ぼやかせ、被写体の上に乗算し。

極端にいえば、抽象画ともいえるような。

そんな感じでした。

 

まわったのは短時間だったのですが、まじまじ見る必要がないほどぱりっと記憶に残りました。

強烈にかっこよかった。

写真は被写体を綺麗にゆがみなくとるもの、と暗黙のうちに思っていたことが、くつがえされました。

もっと写真は自由だ!

 

嬉しいかな悲しいかな、それほど混んでなかったのでねらい目です。

会期はもうちょいなので、気になっている方はぜひ!

www.bunkamura.co.jp

 

 

とまぁこんな感じです。

すっかりゲーム熱が復活してしまい、相変わらずNierをやりつつ、今度は新しい作品もはじめてしまいました^^;

6月はデザインのおおきめの依頼もあるので、準備は進めております!