Hara Museum ARC、素晴らしき空間とキュレーションに感動
土日は、少し足を伸ばして伊香保温泉に行っておりました。
伊香保ねぇ…良かった。非常に。
東京から近いのに、芸術も食も自然も素晴らしい。感動しました。
こと、全く想定外だったのが、Hara Museum ARC。
ここ、すっごくイイ。
現代美術が苦手でなければ、心から!! お勧めします。
Hara Museum ARCとは?
美術館になじみのある方であれば、「原美術館」という名を耳にすることが多いのでは。
あれ、東京の美術館じゃなかったっけ?
ええそのご認識は合っています。
品川に、「Hara Museum」があります。
私も一度いったことがありますが、都会ながら自然をふんだんに取り入れており、静かで落ち着ける素敵な美術館です。
その原美術館の別館として、1988年に建てられたのが「Hara Museum ARC」。
お恥ずかしながら、私も知らず、
渋川駅(伊香保温泉の最寄り駅)の案内所ではじめて知りました。
牧場と共有の広い敷地を使った、小規模だが凝縮された空間
実際に今回足を運んでみたのですが。
実は、隣の「伊香保グリーン牧場」と敷地を共有しており、牧場のおとなりに美術館があります。(グリーン牧場もすんごくよかったんですが、書ききれないのでまた別の機会にご紹介します!)
山の中腹にあるため、周辺に高いビルもなく。
広い敷地を存分に活用。
展示スペース自体はさほど大きくはないのですが、構造がちょっとおもしろい。
普通、美術館というと、敷地を区切って順路になるようにしているのですが、
ここは「部屋」でわかれています。
3つのメインの展示室プラス、廊下でつながった別室「觀海庵」(かんかいあん)。
建物は全体的に黒で統一されており、
こと觀海庵は和室のごとき設え。畳でもひいたら茶室になるんではというような雰囲気でした。
部屋を結ぶ廊下は壁がなく、屋根と廊下が周囲の風景を切り取ります。
建物の周囲には、彫刻や現代美術の作品がおかれていて、廊下から見える。
ある種、建物自体が「額縁」のような感じさえします。
私が訪ねたときにはあいにくの雨だったのですが、
しっとりと幻想的な風景の中、静かに佇む彫刻が非常に美しかったです。
個人的にぐっときたのは、現代美術の作品の後ろで、隣の牧場の羊達が小さくもふもふ動いていたところでした…可愛い…でもこれはこれで素敵…とね♪(←動物好き)
雨だったのでちょっと寒そうだった…
秀逸なキュレーションに溜息
展示ですが、
今回は3つの展示室の「夢の軌跡」と特別展「うましめでたし」を観てきました。
「夢の軌跡」は、現代美術の作品を中心とした、夢をテーマに集められた作品たち。
どこか夢でみたような風景とか、
もやっとしているけど綺麗な作品とか、
ちょっと不気味な作品とか。
印象深かったのは、空間まるごと作られた草間彌生の作品、
そして生々しいくも幻想的な束芋の映像作品。
束芋は、数年前に横浜美術館で作品に出会い、独特で不気味だがノスタルジックな、不思議な世界がずっと、心に残っていまして。久しぶりに会えて嬉しかったです。やっぱりなんだか、良い。
「うましめでたし」は、吉祥のモチーフを描き、「福」を呼び込まんとした作品の展示。日本画の絹本の脇に現代美術があったりと、その取り合わせも独特ながら、
印象的だったのは、円山応挙「淀川両岸図巻」。
上下に鏡あわせに2つの岸を描き、それがだんだん重なってくる、そんな不思議な絵巻。
こんな構成なかなかみたことなかったので、見ながら、時間軸で描かれているんじゃないかとか、色々と考察しながら楽しめました。もちろん、その絵画表現も非常に美しい。(こんな細かく描かなくても!と思うくらいに細かいんですが!)
ミュージアムショップとカフェも素晴らしい
ショップも、素敵な雑貨やおもしろいアクセサリーがたくさんあって、時間を忘れてしまいました…。
ショップでは例えばこんなものを購入。
なんと束芋版悪人!!!
吉田修一「悪人」は、朝日新聞で連載していまして。その挿絵を束芋が描かれていたのですが、その挿絵ベースで編集されたもの。
悪人の原作は未読なんですが、むしろまっさらな状態から読めるーと思って、集中して読んでみようと思います!
紙質も色も超凝ってます。
カフェでは、展示にちなんだデザートがあったりして。
美術館の脇に隣接していて、周囲は緑が多いので、晴れた日にテラスで食事をしたらすごい優雅なひとときを過ごせそうです。
晴れた日にまたきたい……!!!
とこんな感じで、
「Hara Museum ARC」オススメです。
伊香保、意外とカジュアルに行けることがわかったので(距離&金銭的に)
また行きたいなと。
伊香保の観光とか、グリーン牧場のことはまた書くかもデース。
このブログの趣旨がよくわからなくなってきているが…
まぁ、レビューのひとつ、ということで。