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智の素

ITコンサル兼絵描きの雑記。日記、世の中考察、本のレビュー、作品掲載など。

罪とは何か?『禁忌』レビュー

本というものは人生の友。本屋は週イチ。。。にできるだけとどめるようにはしていますが、大好きです。

今やamazonさんもあるし自分もいつもポチポチやってしまうのですが、偶然の出会いとかジャケ買いは本屋でないとありませんから。

やっぱりいつまでたっても大切な場所です。

 

本は何でも好きですが、色々あって最近は海外ミステリ、SFが中心です。

海外ミステリ、SFは私もあるきっかけがあって読んでハマったクチでして。日本とは違う感性に刺激受けまくりなのです。それにしては、なかなか部数が伸びない、業界が伸びない、というのが切ない。そういうわけで、このブログでは積極的に!本の紹介はしていこうと目論んでいます。

 

 

まだブログはじめて二日目ですが、ちょうど本を読み終えたのでレビューをします。

 今日はこの作品!

禁忌

禁忌

 

 写真家が主人公のお話。彼の少年期からはじまり、彼を取り巻くヒト・モノとの関わり合いの中で、死が、罪が亡霊の如く立ち現れる作品です。

 

本自体はさほど長くなく、文字も大きく読み易いです。表現も直截的なので混乱することもない。この読み易さは、翻訳者酒寄氏の手腕に拠るところも大きいのでしょう。

 

ミステリとして分類されてはいるのでしょうが、ミステリというよりは文学的、内包する意味は読み込めば非常に哲学的で、普遍的な人間の在り方を問うています。

罪とは何か。

読み終わった後、深くそのことを考えていましたが、今なら私なりの答えを言えます。ネタバレになるかもしれないので、書きませんが!

 

短く歯切れの良い文で描き出される、静謐で色彩に溢れた描線は美しく、人文学好きの方にはミステリ読みでなくても奨めたい作品です。しかしミステリのトリック的な部分は弱いので、本格ミステリを求める人には向かないと思います。

また、色々な意味で明確な「答え」は本には書かれていないので、読者自身が腹落ちしないと若干もやもやしてしまう可能性もあるかもしれません。言い換えれば、解釈の余地が広くあるということでもあるので、広がりがある非常におもしろい作品であるといえます。

ということで、人を選ぶ作品ではありますが、私はかなり好きでした。興味を持った方は、是非!(装丁も美しいです!)

 

 

今日の朝の通勤電車で読み終わったので、思わず業務中に「罪とは何か」考えそうになっちゃったのは内緒です。